テレビで鉛筆削りになっている地球儀を紹介していた。
なんてかわいらしい。
その場でスマホで検索してすぐ買った。
手のひらサイズの地球儀。
子供の頃から地球儀が好きだった。
最初は、父のオフィスにおいてある地球儀。
台座がオットセイになっていて、
オットセイが地球をまわしているという代物。
同じのが欲しいとねだったが、みつからず
結局父の地球儀をそのままもらった。
ぐるぐる回すだけ、結構楽しかった。
日本はちっちゃいな。
大きくなったら「がいこく」に行こう、と思った。
だいぶ大きくなって、アメリカに行った。
大学の売店にビーチボールになっている地球儀があった。
なけなしのお小遣いで買った。
今でも家にある。「ソ連」がまだある時代の地球儀。
もう少しおばさんになって、今度はイギリスに行った。
ロンドンの本屋さんに
「地球」の部分がランプになっている地球儀があった。
小ぶりで、ちょっとアンティーク風。
もちろん買った。
今も家にある。21世紀の地球儀だ。
この地球儀を買った頃、ウィーンにも行ってみた。
公園に大きな地球儀があった。

このわきに「第3の男」で知られる観覧車がありました
ぐるっとまわしてみた。
日本は遥か彼方に思えた。
その日は寒く、しょうゆ味のラーメンが恋しかった。
ウィーンで地球儀博物館にも行ってみた。
昔の地球儀は、球体だけれど、陸の形が違う。
地球儀だけど、地球儀に見えない。
…
そして、ずいぶんとおばさんになって買った
今回の手のひらサイズの地球儀。
もう「がいこく」にも、行かなくなった。
手にした地球儀は、どんどん小さくなり
わたしは、どんどん年をとっていった。
思えば
地球儀をみながら
いつも
「わたしはいま地球のここにいる」
と現在地点を指差していたっけ。
でも、気づいていなかったな。
一度も地球から離れたことがなかったということに。
手のひらの中の地球儀。
両手に包んだら、
小さな頃からの自分と、世界中の人をハグしたようで
なんだか、とってもあたたかくなった。
今日も読んでくださってありがとうございます。
自分にやさしく お過ごしください。