2月…というと
亡くなった祖母のことを思い出します。
祖母の誕生日が2月だったからです。
祖母が私に残してくれたものは
本当にたくさんありますが
中でも印象的なのが
「お金は貸すものじゃないよ」
という言葉でした。
私は当時ほんの子供。
「困っている人を見たら、助けてあげること」と
教えられていました。
子供のあたまでも
お金を借りるのは、お金に困っている時、
ということぐらいはわかっていました。
なので、
なぜそんなことを祖母が言うのか
とても不思議に思いました。
すると祖母は言いました。
貸してあげるときはいいんだよ。
でも、貸したお金が
なかなか返ってこないことがあるんだよ。
返したいと思っても
いろんな事情があって
返せないこともあるんだよ。
悪気がなくてもね。
返したくても返せなかったら
その人はどう思うだろうね?。
自分が貸したものが
返ってこなかったらどう思うかい?
私の頭は完璧にクラッシュしました。
祖母は続けました。
だから、
お金を貸して欲しいといわれたら
貸しちゃダメなんだよ。
その代わりね、
貸すんじゃなくて、あげなさい。
でもね、
言われた額をそのままあげるんじゃないんだよ。
自分があげてもいいな、と思う額をあげるんだよ。
もう返ってこなくていい、と思える額をあげるんだよ。
それだって、助けにはなるんだよ。
そういう助け方もあるんだよ。
そしたら貸した相手を恨むこともないんだよ。
借りた人だってね、返せないって苦しむこともないんだよ。
私に強要するわけでもない、
けれどしっかりしたその口調は、
独り言のようでもありました。
祖母のいわんとすることを理解したのは
ずいぶんと大人になってからでした。
- 助けを求められた時、
瞬間的に「相手の望む “いい人” 」になろうとしないこと。 - 相手の望む形どおりではなくても
相手を助けることができること。
相手を思っているということを表現することができること。
そうすれば、無理のない、長続きできる関係になりやすいこと。 - そのためには
自分が何ができるか
どんなことであれば
自分に無理がないのか、ということを
自分自身に問いかけて、知っておく必要があるということ。 - もし、相手の望む形を提供できなくて
相手が自分から離れたとしても
それは相手の選択なのだから、尊重するということ。
その時相手を失った自分の悲しみは正直に受け止めること。 - もし、相手の望む形を提供できなくて
相手が自分に怒りをぶつけてきたら
「私のできる精一杯のことです」と素直にいうこと。
望む形を提供できないことを
悲しいと思っていることを伝えること。
ものすごく突き詰めていうと、
「助けを求められた時に、自分も相手も尊重すること。
相手を無力な存在としてみないこと」
- それを思い出しながら、行動するということが大切だということです。
明治に生まれ、戦争を乗り越え
夫を早くに亡くし、女手1つで4人の子供を育てた祖母。
お手伝いをしてお駄賃をもらう、ぐらいのことしか
したことのない子供の私には
祖母の言葉はピンときませんでした。
けれどあの言葉は
紛れもなく祖母自身の経験から生まれたもの。
そして、孫の私にはそんな経験させたくないという
深い愛情から生まれたことばだったと気づいた時
私は少し泣きました。
今でもふと、あの時の祖母の声がきこえてくるような気がするのです。
【お知らせ】
1 dayセミナー ITT(Image Tapping Therapy)セミナーで講師をします
(2月25日(日) あうるすぽっと東京:東池袋/主催:JMET)
アートセラピーとEFTが融合したイメージタッピングセラピー。
心のモヤモヤや悩み、体の痛みを感じながら、
その感覚を絵に表現してタッピングしていきます。
トラウマ体験を話したくないクライアントさん、お子さま、感情表現が苦手な方に最適です。
お申し込み、詳細はこちらまで >> ★
■介護で疲れた心に、ほんのすこし安らぎを。
「介護をしているケアラーのあなたへ」
ハートレジリエンス協会で配布しています。
ハートレジリエンス協会では
小冊子「介護をしているケアラーのあなたへ
こころを軽くするヒント集」を配布しています。
インターネットでダウンロードもできます。
お問い合わせはこちらから >> ★